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カテゴリ:泡沫 の記事一覧

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泡沫1

「おい、希咲。」


町を歩いていて、聞き慣れた声に呼び止められた。

振り返ったそこには、見慣れた先輩の姿と、それを取り巻く(?!)危ない世界の方々がズラリと肩を並べて立っていた。


「先輩、一般の方々が目一杯びびってるんですけど・・・・・・・・・・・」

「あ~・・・・・・・・・俺は何もしてねえぞ、あいつらだって特には何もしねえよ、立ってるだけだ。」



それだけでも、他の方々は十分過ぎるほどのプレッシャー、感じていると思いますけど。




泡沫2

「お前らはもういいから帰れ、後は俺がこいつとふたりきりで話をする。

帰りの車以外はいらねえ。」


「・・・・・・・・・・・・話って、何なんですか?!」

その他大勢の護衛団がその場から消えるのを待って、先輩に向かって質問を投げ掛けた。


「・・・・・・・・・。」

ベシッ・・・・・・・!!!!!


行き成り、平手で頭を叩かれた。



泡沫3

「兎に角、なんでも良いから今すぐ断れ、そんなアホな依頼!!」

「やです!!前金だって貰ったのに・・・・・・・・・・・・!!!!!」

「ま、前金?!お前、まさかそれ、使っちまった・・・・・・・・ってのか?!」

「いや、それはないですけど・・・・・・・・」

「だったら返せ、今からなら間に合うだろう??」

「え~でも、ほんとに使い切れないくらい沢山貰ったから・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・依頼契約料の総額、いくらか聞いてもいいか??」

「前金だけでも○○○万なんですけど・・・・・・・・」




泡沫4

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょっと待て、お前。」


先輩が、私の方を見て、直立不動で固まっていた。


「?!」


私はそんな先輩に向かって小首を傾げながら振り返って見ていた。

私の周りでは、何人もの女の人達が忙しそうにして作業を行っている。


先輩は、その中央に立つ私を見て呆気に取られたような表情をしていた。



泡沫5

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


閉じられていた瞼を開くと、そこには見覚えのない天井の模様が映し出されていた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

その天井を私は虚ろな表情で見上げたまま、何も言わずにその場に体を横たわらせていた。

私の体は、布団の中に納まっている。




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