カテゴリ:泡沫 の記事一覧
| | 古い記事一覧へ≫
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
泡沫1
「おい、希咲。」町を歩いていて、聞き慣れた声に呼び止められた。
振り返ったそこには、見慣れた先輩の姿と、それを取り巻く(?!)危ない世界の方々がズラリと肩を並べて立っていた。
「先輩、一般の方々が目一杯びびってるんですけど・・・・・・・・・・・」
「あ~・・・・・・・・・俺は何もしてねえぞ、あいつらだって特には何もしねえよ、立ってるだけだ。」
それだけでも、他の方々は十分過ぎるほどのプレッシャー、感じていると思いますけど。
泡沫2
「お前らはもういいから帰れ、後は俺がこいつとふたりきりで話をする。帰りの車以外はいらねえ。」
「・・・・・・・・・・・・話って、何なんですか?!」
その他大勢の護衛団がその場から消えるのを待って、先輩に向かって質問を投げ掛けた。
「・・・・・・・・・。」
ベシッ・・・・・・・!!!!!
行き成り、平手で頭を叩かれた。
泡沫3
「兎に角、なんでも良いから今すぐ断れ、そんなアホな依頼!!」「やです!!前金だって貰ったのに・・・・・・・・・・・・!!!!!」
「ま、前金?!お前、まさかそれ、使っちまった・・・・・・・・ってのか?!」
「いや、それはないですけど・・・・・・・・」
「だったら返せ、今からなら間に合うだろう??」
「え~でも、ほんとに使い切れないくらい沢山貰ったから・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・依頼契約料の総額、いくらか聞いてもいいか??」
「前金だけでも○○○万なんですけど・・・・・・・・」
泡沫4
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょっと待て、お前。」先輩が、私の方を見て、直立不動で固まっていた。
「?!」
私はそんな先輩に向かって小首を傾げながら振り返って見ていた。
私の周りでは、何人もの女の人達が忙しそうにして作業を行っている。
先輩は、その中央に立つ私を見て呆気に取られたような表情をしていた。
泡沫5
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。閉じられていた瞼を開くと、そこには見覚えのない天井の模様が映し出されていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
その天井を私は虚ろな表情で見上げたまま、何も言わずにその場に体を横たわらせていた。
私の体は、布団の中に納まっている。