カテゴリ:真昼の月・序章 の記事一覧
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真昼の月=月の誘惑1=
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。久し振りに踏んだ家の敷地に敷き詰められている大量の飾り石。
それを音をたてて踏みしめながら、ゆっくりと自分のペースで歩み行く。
見上げたそこには大きな月。
それが、朧に光を放っていた。
真昼の月=月の誘惑2=
「たくちゃん。」その店の入り口にまで辿り着き、通された部屋は薄暗かった。
薄暗がりの向こうから、聞き覚えのある女の声と共に、思い切り良く首に重量感が加わる。
「・・・・・・・・・・・・・。」
俺は首にぶら下るようにして腕を巻きつけてきた女をそのままに、奥へと進む。
「よう。」
そこでは見慣れた一人の男がタバコの煙をゆったりと吐き出しながら、大きなソファーにその体を預けていた。
真昼の月=月の誘惑3=
「折角だ、最後までそのお姉ちゃんの面倒みてやりな。」奴は戸口付近で悠々とタバコを咥えていやがった。
「なんでだよ?!」
当然の事ながら不満を口にすると、奴はその口元に笑みをふくんでいた。
「そうすりゃあ、後はその姉ちゃんが何とかしてくれる・・ぜ。」
「あん??」
真昼の月=優しい誘惑1=
「一緒に、いこ?!」重い瞼を開けば、全ては終わっている筈だった。
だが、目の前には何故か彼女がいて・・・・・・・・・・・
真昼の月=優しい誘惑2=
「・・・・・・・・・・・・・・・。」昨夜とは明らかに違う表情をした彼が、そこにはいた。
彼は、自分が今どんな表情をしているのか気付くことさえないままに、私の体をベッドの上に寝転がせ、その両手首をシッカリと掴み上げた状態でコチラを見下ろしている。
その顔が、血の気を失ったかのようにして蒼褪めていること・・・・・・・彼は、まだ知らずにいるのかも知れない。