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泡沫3

「兎に角、なんでも良いから今すぐ断れ、そんなアホな依頼!!」

「やです!!前金だって貰ったのに・・・・・・・・・・・・!!!!!」

「ま、前金?!お前、まさかそれ、使っちまった・・・・・・・・ってのか?!」

「いや、それはないですけど・・・・・・・・」

「だったら返せ、今からなら間に合うだろう??」

「え~でも、ほんとに使い切れないくらい沢山貰ったから・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・依頼契約料の総額、いくらか聞いてもいいか??」

「前金だけでも○○○万なんですけど・・・・・・・・」




ドバッシ!!!!!

今度は、さっきよりも度派手に叩かれた。


「前金だけで万の桁みっつまで行ってんだろうが!!

有り得ねえぞ、その依頼!!!!!」

「いいんじゃないんですか??

相手、超・お金持ちだから、お金なんていくらでもあるんですよ、だから、貰えるんなら貰っておこうかと思って・・・・・・・・・」

「で、その○○○万がお前の処女喪失に関わる金額なのか?!」

「うえあああっっ!!!!!ど、道理で気前が良いと・・・・・・・・・!!!!!」

「まあ、それが本当かどうかは別として、さっさと断れ、その依頼。」


その場に力尽きたかのようにして両手をつき、力説する私に、先輩は尚も冷たく言い放ってきた。


「だいたい、結婚前でおまけに未だ処女な女に政略結婚依頼してくるアホな依頼人がいること自体、有り得ねえ、どういった経緯で引き受けたんだ?!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・ってえか、うちのあの馬鹿親父が・・・・・・・・・」

「お前、ひょっとして、ただ単に借金の肩代わりに売り飛ばされただけじゃねえのか???????」

「はああっう、ううううううっ、あ、有り得る!!!そ、そうだったんだ・・・・・・・・でも、それでうはうはハイレベルな生活が出来るんならある意味幸せな思いが出来るんで良いかも・・・・・・・
それに、借金の肩代わりだったら、なんで逆に契約料とかの前金くれるです??」

「それはお前の親父さんとの手切れ金だ。

・・・・・・・・・・ま、あ・・・・・それでお前が良いってんなら俺はこれ以上は何も言わなねえが・・な。」


疲れたのか、それとも呆れたのか、それまでその場で会話を繰り返していた先輩が大きなため息をひとつ吐くと、歩き出していた。


「先輩??」

「仕方ねえ、結婚祝いに家まで送っていってやらあ、他に、何かしてほしい事があったら言っておきな、俺に出来ることならしてやるぞ。」

「・・・・・・・・・あ、じゃあ、先輩、その借金先輩が代わりにまた肩代わり、してくれません??で、その分、私、先輩のとこで働きますから・・・・・・・・・・どうです??そういうの?!」

「ああっ?!そりゃ、お前が仮に借金の肩にされていたら・・・・・・・・・の、話だろ??
もし、仮にそれが真剣切った結婚話だった場合、お前が前金と思っている金額は『結納金』の可能性だってあるんじゃねえのか?!」

「結納金・・・・・・・・・・・あ、ああ、なるほど。」

「なるほど、じゃねえよ、お前、本当にいいのか、それで??」

「じゃ、付いて来てくれます??先輩。」

「あっ?!」

「その、政略結婚相手のところにまで・・・・・・・・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・。

私の言葉に、口元にまで持っていったタバコを先輩がものの見事に落とした瞬間だった。

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