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籠の中・・・9

「薫さん、ねえ、薫・・・・・・・・・さん。」


耳元で、その名前をもう一度繰り返し、体を揺すっても、やっぱり薫さんはそれに反応することはなくって、僅かに開かれている唇の隙間から、静かに寝息が漏れていた。


ね・・・寝てる。

やっぱり、寝てる。



「ねえ、薫さん、起きて、ねえ、起きて。」



何度体を揺さぶっても、やっぱり、起きてくれない。



何度名前を呼び、体を揺らしても、閉じたまま開くことの無い瞼。

少し開かれた状態の唇の隙間からは、規則的な寝息が静かに漏れている。


その姿は、やっぱり『可愛い』という表現方法以外の言葉が浮かんでくることなどないくらいに可愛い寝顔・・・・・で。

私はそっと薫さんの耳元に唇を寄せて、囁いた。


「薫さん、可愛いよ、とっても・・・・・・・・・・・・・・」


けど、薫さんがその言葉に反応することは無かった。

「可愛い・・よ♪♪」

それを良いことに、今度はいつものトーンとボリュームでそう呟き、その頬や、髪を撫でる。


やっぱり、何度見直してみても、薫さんは「可愛い」という言葉がピッタリと当てはまる顔立ちで、静かに寝息を漏らし続けている。


調子に乗った私は、静かにその唇に、自分のそれを重ねてみた。


薫さんが全く反応しないのをいいことに、自分のしたいように、タップリとその唇と触れ合ってしまった。

薫さんの反応が本当に無いのは悲しいのだけれど、それでも、私には充分過ぎるほどのことで・・・

なんだか、ちょっと(?!)妙な思いがムクムクと私の中で膨らんできた。


このまま、私が薫さんとしちゃっても、彼は、気付かない・・・・・・・・・・のかなあ?!


なんて思いながら、彼の唇に触れ合ったまま、そっと片手を伸ばした。

そして、その辺りにあると思われる、彼の股間に手をあてた。

トランクスの薄い生地の下に、それらしきものがあるらしいことは、手に伝わる柔らかな感触によって確認することが出来た。


柔らか・・・・・・・・・・・・


薫さんのそれは、全く立ち上がる様子が見られない。

私は、触れている薫さんの唇の隙間から、自分の舌を割り込ませた。

ほんのりと、ワインの香りが口内に拡がる。


ワインの残り香に触れながら、彼の舌を求めるようにして、より深く、彼の唇に自分のそれを押し付けた。

互いの唇の隙間から、私のものと思われる唾液がくちゅ、ちゅく、と音をたてて零れる。

私はその感触を楽しむようにして、更に、薫さんの舌先を求め、侵食を深める。

そして、やっと触れることの出来たそれに、私自身の舌を絡め、吸い付くようにして貪りながら、彼の股間の上に置いている手で、そこをゆっくりと擦る。


私が彼の口腔内を犯す湿った音と、薫さんのトランクスの生地を擦る、衣擦れの音が僅かに響いていた。

そうこうしているうちに、私は自分でも気分が相当高揚してきて、残りの手で、先程薫さんに触れられた乳房の先端を捏ね繰っていた。


最初はやんわりと、そして、徐々にその周囲を弧を描くようにして弄りながら、時折その先端を摘む。


「ん、はあっ・・・・・・・・・ん。」


自分で、自分自身のそれに触れながら、軽い喘ぎを漏らしながら、私は思わず彼と重ね合わせていた唇を離していた。


離れると同時に、二人の重なり合っていたそこから、涎が零れ落ちる。

ちょっと気にはなったのだけれど、それをそのままにして、私は片手で布越しに触れていた薫さんのそれを、トランクスの中から取り出した。


ぴんっ・・・・・・・・・・・!!


って、感じにそこから飛び出してきた薫さんのそれは、先程とは違って、硬く立ち上がり始めていた。

「んん、は・・・・・・・・・・」

取り出したそれを片手でシコシコと扱きながら、私は自分自身の乳房の先端を刺激し、喘ぎを漏らす。


結局、自分で勝手にやりながら、勝手に喘ぐ形となってしまった私。

体の火照りがどんどん増してきているのが、自分でも分かった。

触れている乳房の先端とは別に、私の女の部分が、熱を帯び、ひくひくと求めだし、急激な反応を示し始めている。


そのことを悟り、乳房の先端を弄んでいた手を休め、パンツの中の割れ目に、自分の指を滑り込ませる。


くちゅり、ちゅくくちゅ・・・・・・・・・


湿った淫猥な音が、下着の中に滑り込ませている指先が動くたびに、聞こえる。

「あ、ああっ、はあん、・・・・・・・・・・・」

その音と、ぬめぬめとした指先に触れる感触によって、私の喘ぎは更に大きさを増していた。


私は、更にその部分を弄びやすくする為に、体勢を立て直して、膝立ちのまま、足の開きを大きくする。

そして、下着の中に滑り込ませている自分の指先の動きを早めていた。

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