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気まぐれ仔猫6

新たに動き出した車内のトイレで、私は、滑りを帯びたそこをティッシュで拭き取り、湿りの余韻を残したままのショーツをシッカリと履きなおした。

揺れる車内の向こうから聞こえてくるざわめきが、先ほどとは違って、幾人もの人々が車内にいるということを、知らせてくれていた。

身なりを整え直した私は、トイレを後にし、笠原のところへと向かった。


「?!」

そこには、見知らぬ女の子と何やら話をしている笠原の姿があった。

ここはもう、笠原の地元と言っても良いほどの場所、その笠原が、知り合いの女の子と出会っても、不思議ではない。

女の子は、笠原と向かい合うようにして立ち、何やら楽しそうにしている。

けれど、その彼女と向かい合っている笠原の顔に、笑顔は無く、また、いつものような表情も見られなかった。

憮然としたような、不機嫌そうな顔。

つまらなそう・・・と、いうよりは、寧ろ・・・・・・・

何か、私には理解できない「ある感情」を押し殺している・・ような、そんな、不思議というか、ちょっと、怖い顔をしていた。


私はそれ以上、近付くことが出来なくて、その場に立ち尽くしてしまう。


そんな私の姿が、何気なく、視線を移した彼の瞳の中に映る。

彼は、一瞬驚いたようにして、私を凝視すると、何か、物凄い威圧感のある視線を送ってきた。


「・・・・・・・・・・・」


私は、笠原が気付いてくれたことにより、歩み寄ろうとしたのだけれど、その視線に押されてしまうようにして、踏み出しかけた足を止めていた。

そして、彼の目は私に向かって「来るな」と、言っているようにも思えた。


その子、元・カノ?!

聞けるものなら聞いていたのだけれど、私は、それを行うことも出来ず、その場を後にしていた。


「・・・・・・・・・・ふうん、今の子、彼女?!」

消え行く私の背中を見ていたのは、笠原だけじゃなくて、彼と話していた彼女も、それを見ていた。

「あたしは別に、いいんだけど・・・な♪♪♪」


彼女は、楽しそうにして、彼の制服のネクタイをそのしなやかな白い手で弄んでいた。

けれど、笠原はそんな彼女に言葉を返すことは無くて・・・・・・・・

「そんなに怒らないの、怖い顔、しないで♪だって、久し振りの再会じゃない。

又、あの時みたいに、あたしを気持ち良くさせてよ。」

彼女はそんなことをゆったりと口にしながら、彼の唇と、自分のものとを重ね合わせていた。

そして、深く、深く、彼の口腔内に、自分の舌を進入させると、その中の感触を、満遍なく、堪能していた。


二人の重なり合う、唇から、互いの唾液が筋となり、アゴを伝った。

そんな二人に、周囲の大人たちは背を向け、気付かぬ振り、見ていない振りを決め込んでいた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・」

そんな周囲の雰囲気を鋭く読み取った彼女は、更に大胆な行動に出てきた。

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