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籠の中・・・7
「やって、やれないことはない・・・んだが・・・・・・・・・・・・・」言いながら、薫さんが視線を横に流した。
「?!」
不思議に思い、首を捻っていると、薫さんがソッ、と自分の人差し指を立てて、それを自分の唇にあてた。
「?!」
思わず、私も薫さんと同じポーズをとってしまう。
・・・・・・・これって、静かに、って、意味・・・・・・・だよね。
どんっ・・・・・・・・・!!!!!
薫さんに言われたまま、物音をたてないようにしていると、薫さんがいきなり浴室の壁に拳を打ち付けていた。
「ひゃっ?!」
「わっっ?!」
がたがたがったあ~・・・・・ん・・・!!!
思いも寄らなかった薫さんの行動に驚いていると、壁の向こうでも、同じようにして驚いて声をあげ、おまけにバタバタと転げるというか、兎に角、落ち着き無くアチコチを逃げ惑っているというか、おかしな物音が聞こえてきた。
この壁の向こう・・・・・・・・・って・・・
「・・・・・・・・・・・・・ふん、やっぱり聞き耳立てていやがったか。」
薫さんはそんなことを言いながら、それまで勢い良く水音を響かせて浴槽を満たし続けていた蛇口を捻り、水を止めていた。
「・・・・・・・あ~、ここの向こう、隣と密接してるんで、聞き耳立てると結構こっちの音とか聞こえるみたいなんだ。」
「えっ?!」
薫さんの言葉に、思わず大きな声で驚いて、その後で慌てて自分の口を押さえた。
「まあ、そういう訳だから~・・・・・・・場所、移動するぞ。」
言うが早いか、薫さんは踵を返すと、浴室の出入口の前に立っていた。
「ほれ、お前も移動。」
扉を開け、そこに脱いであった自分の服を持ち、私の着ていた服も手に、さっさと歩き出している。
「か、薫さん、待って、私、自分の服は自分で持ちます。」
「あ?!いいよ、別に・・・・・・・・その替わり、そこの洗面台の下にある大きいタオル何枚か持ってきて。」
「え?!タオル??」
「そ。」
薫さんはそう言いながら、脱衣所の向こうへと続く扉の鍵に手を掛け、それを開けていた。
「あの、タオル、これで良いんですか?!」
「あ~・・・・・・・・、ま、適当でいいよ、どうせ直ぐ汚れるだろうし・・・」
「汚れる?!」
「だってお前、はじめてだろ?!」
「・・・・・・・・・・・・・!!」
そ、それで・・タオル・・・・・・・・・・・・なんだ。
「俺は別にそういうのはどうでもいいんだけど、後になって汚れるからとか言われてから動くの面倒だし、それならお前も余計なこと気にしないで済むだろ?!」
「う、うん。」
そっか、そう・・・だよ・・ね。
私、はじめてだから・・・・・・・・ひょっとすると、大(?!)出血とか、しちゃうかも知れない・・んだ。