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月灯り6
「・・・・・・・・・・・・・」匠にいちゃんの言葉に、緊張からその体が強張ってしまっていた。
痛い事に変わりはなくても、やっぱり、最初の相手が「指」・・・・・・・・・って、嫌。
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
私が、匠にいちゃんの言葉を飲み込んで、おとなしくなったのを確認すると、その指先を静かに挿入させてきた。
「い・・・・った・・・!!痛い、よ・・・・・・・・やだ、匠にいちゃん・・それ以上・・・やらない・・で・・・・・」
それは、本当にほんの入り口のところなのだろうけど、僅かに挿し込まれただけでも、痛みが走った。
我慢が出来るか?!
と、聞かれたら、出来るかも・・・・??
な、感じの痛みだったけど、やっぱり、なんか、怖いよ。
「た、匠にいちゃん・・・・・・・・・・や、やめ・・てっ・・・・・・・・・そ、その代わり・・・匠にいちゃんの・・入れても、いい・・・・・から・・・・・・・お願い。」
息も絶え絶えに訴えかけると、それまで私の言葉には無反応だった匠にいちゃんの動きがピタリと止まった。
「・・・・・・・・・・・・いいの?!直接入れちゃって・・・」
挿し込んだ指にとぷりと液体を絡めながら、匠にいちゃんが嬉しそうな声で返してきた。
「・・・・・・・・・・・・・うん。」
匠にいちゃんの背にもたれ掛かるようにしながら力の無い返事をすると、匠にいちゃんがそれまで俯かせていた顔を上げてきて、私の顔と見合わせる形になった。
私と顔を見合わせた匠にいちゃんは、ちょっと驚いたようにして私の顔を見ていた。
「これ、最悪だった??」
「最悪っていうか・・・・・・・なんか、嫌・・・・」
「嫌?!嫌・・・とか、そういったレベルじゃないんじゃない・・のか?!大丈夫、か?お前・・・なんか、その・・これ、脂・・・汗・・だよな??」
匠にいちゃんが慌てたようにして私の頬や額を撫でた。
撫でられたことによって、自分が始めて冷や汗なんだか、なんなんなのか、匠にいちゃんが言うように脂汗なのかも知れないし・・・兎に角、私、自分でも気付かないうちに匠にいちゃんがビックリするくらいに真っ青な表情をして汗を垂らしていたらしいことを、彼の反応から察することが出来た。
ひょい。
匠にいちゃんが、私の顔を見ていたかと思うとその体を抱え上げ、それまで自分が寝転んでいた接客用の大きなソファーの上に寝かせてくれた。
「・・・・・・・・・本当に、大丈夫・・なのか?!」
私の体をゆっくりとそこに寝かせつけながら、髪を撫で上げ、その顔色を確認するようにして覗き込んでくる。
「やっぱ、精神的に・・・きつかった?!」
心配そうな表情を浮かべながらその手の平が優しく頬を撫でる。
ぽろり・・・・・・・・・・
その暖かな感触に、思わず私の瞳から涙が零れ落ちた。
自分自身でも、それをどうすることも出来ないままに、涙ばかりが溢れ、零れ落ちている。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
声をあげるでもなく、ただ涙だけを溢し続ける私を、匠にいちゃんは、黙って見下ろしていた。