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気まぐれ仔猫3

笠原の言葉に、私は頷いた。

何も言わない私の顔は、それと分かるほどに、火照りを増していた。

恥ずかしさからなのか、頬だけでなく、全身を熱い感覚が占領していく。



どのくらい、時間が過ぎたのか、本当はほんの少しの間だったのだろうけれど、私にとっては、とても長い時間に思えた。

そして、それまで驚きで固まり、何も言えずに居た笠原が、それまでよりも私の体に寄ってくると、こんなことを耳打ちしてきた。


「おれ、手伝ってやろうか?!」


笠原の言葉が耳元からずうう~んと、私の中に響いてくる。

彼は、私の耳元で優しくそう呟きながら、自分の手を私のそれに、絡めてくる。


その手は、私の手よりもずっと大きくて、私は思わず、強く握り返してしまった。

「・・・・・・・・・・・・・」

そのことに、満足をしたのか、笠原はその顔に笑みを漏らすと、私にゆっくりと歩き出すよう、促してきた。

私は、促されるままに、彼の手に私の手を絡めたまま、歩き出す。


私の心臓は、バクバクどころか、一気に大暴走を開始して、何処かに飛び出してしまうんじゃないかと思うくらいに、激しい鼓動を繰り返していた。


さっきの「手伝う」って、何?!


私は、そのことが気になり、頭から離れなかった。



「オレ、元々椿のこと狙ってたし、その・・・お前の不機嫌の原因って・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・」



私は、笠原の言葉に、黙って顔を背けた。

あの時のことを思い出すと、あそこがジンワリと忘れかけていたあの感覚を思い出す。

私のあそこからは、新しい蜜があふれ出しているのかも知れない。

笠原の大きな手に、あの時の感触を重ね、その感覚に酔いしれる。


でも、その手は、私が快楽の絶頂を向かえる前に、その行為を止めてしまった。


くちゅり、といやらしい最後の音を残して、私の中から出て行ったあの手。


あの時の感触を思い出すと、どうにかなりそうなくらいの喘ぎを伴った快楽に、浸りきりそうになる自分を、どうすることも出来なかった。

私だって、笠原のことは嫌いじゃない。


繋いでいる私の手が、無意識の内に、ギュッ!!と、彼の大きな手を強く握り締めていた。

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