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年下の彼24
私好みの装飾が施され、キラキラと輝いているそれを見て彼との付き合いの長さ・・と、いうか、彼と共に過ごしてきた時の流れを改めて実感してしまっていた。本当に、悠一くんはいつも私の事、一生懸命になって考えてくれていると思う。
「・・・・・・・・・・・。」
感激で、ちょっぴりウルウルときているその瞳のまま、どうしていいのか分からなくて、思わず彼の顔を見上げたら、彼がニッコリ微笑みながら、私の両手をそっとその手で包み込んできた。
優しく、丸で守ってくれているかのようにして包み込んでくれている彼のその手を見ていると、本気で涙が溢れ出しそうになる。
静かに、唇が重ね合わされた時、それまで必死になって堪えていた涙が、そのまま私の頬をはらはらと零れ落ちていた。
悲しみとは違う、感激、喜びの涙が、いつまでもはらはらと零れていても、そのまま、私達の唇はそっと重ね合わされ続け、やがてその触れ合いを静かに深めていた。
重なる唇の感触と同時に伝わってくる彼の温かさに酔い痴れながら、何度もその唇を重ね合わせ、舌先を絡めながら、深いキスを繰り返していた。
「奈々深、俺と、結婚、してくれる??」
彼がその唇を離し、手の平を私の頬に添えて、改めてそう告げてきた時には、既に私の頬を伝っていた涙は乾いていた。
それくらい、長い間、私達はキスを繰り返していたみたいだった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
彼の言葉に、直ぐに言葉で返して、彼のほんわか笑顔を見たかったのだけれど、思ったように声を発することができなかったことに、驚いた。
彼に、いつもと同じ調子で「うん、いいよ。」という短い言葉すらも返すことが出来ないまま、私は笑顔を添えて彼に向かって頷くことで、彼に対して、先のその言葉に対する返事を返すのがやっとだった。
そんな私の顔を見て、彼は優しく微笑んで、それからその手の平で私の頬をそっと撫でた後で、その体をぎゅっと抱き締めてくれていた。
「・・・・・・・・・・ありがとう、悠一くん。」
私がやっと言葉を発することが出来るようになったのは、それからまた、少し、時が流れ、彼に抱き締められることによって、波打っていた気持ちが安らぎを感じ始めた頃だった。
「ん??」
「ありがと、私の事、選んでくれて・・・・・・・・」
私がそこまで告げた時、いつもは最後までジックリと私の話を聞いてくれる彼が、その言葉をさえぎるかのようにして唇を重ね合わせてきた。
「奈々深。」
触れていた唇を離した後で、再度その体を強く抱き締めながら私の名前を口にする彼のその呼吸が、普段よりもとても熱いものに思えてならなかった。
そして、いつもよりもきつく、きつく抱き締められる。
その思いが昂ぶった時、彼は本当に目一杯その腕に愛情を添えるかのようにして力強く抱き締めてくる。
少し呼吸が苦しくなりそうなくらいの力で抱き締められて、それでもその温もりが堪らないほどに心地が良くて、私は彼の言葉に返事を返しながらその腕を彼の背中へとまわしていた。
手の平に触れてくる彼の温もりと、服の生地の感触を味わいながら私は甘えるようにして彼の胸元にその顔を埋めていた。