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気まぐれ仔猫Ⅱ・10
「正直なとこ、お前はどうなんだ?!海里。」突然彼に言われて、私は首を捻ってしまっていた。
「・・・・・・・・・・・いれて欲しいんだろ?!本当は・・・・・・・・・」
そ、それは・・・・・・・・・
彼に、真正面から聞かれて私はその答えに戸惑ってしまっていた。
あの時は、まだ、気分が落ち付いていなかった。
だから、それでも良いと思っていた。
でも、今は違っていた。
ベッドの上で、念願(?!)だったたっぷりの抱擁の後で目一杯体中を愛撫して貰って、そうしながら彼と肌を触れ合っているうちに、私の気持ちは随分と落ち着きを取り戻すことが出来ていた。
出来ることなら、私もそうしてほしい。
でも、私のそこは、あのカラオケルームで乱暴に指を抜き差しされたから、少し傷ついたりとか、していない・・・・・・・のかな??
いれられた途端に流血!!なんて、ならない、のかな??
私がそんなことを考えて不安そうにしていると、彼のその口元に、いつもと同じ笑みがうっすらと浮かんでいた。
「試してみるか?!」
「ちょ、まっ・・・・・・・・・・」
速攻で指三本くらいを一気にいれようとしていたんで、思わずその手首を両手で掴み上げてしまっていた。
勿論、体も逃げ腰になっている。
「あ??なんでだ?!お前、カラオケルームでは3本いれられていたぞ。」
ケロリとした表情で言ってくる彼。
さ、3本??そんなにいれられていた・・・・・・・・の??
ど、道理で・・・
「・・・・・・・・・・・・・・。」
私が言葉を失って呆然としていると、彼はいれようとしていたその指の本数を減らした上で、自分のそれをマジマジと見ると、こんなことを呟いていた。
「やっぱり、3本はきついか??」
「うん、特に、りゅうちゃんのは・・・・・・・・・」
「たって・・・・・・・俺のもんよりは細いだろ?!」
「そ、それはそれ、これはこれ、び、微妙に違う、の、その、いられる本人が言っているんだから・・ね、分かって。」
私が少し困り顔で彼に告げると、彼は渋々ながらも了承してくれたみたいだった。
「・・・・・・・・っち、俺も3本試したかったんだがな。」
「ダメ、りゅうちゃんの指で3本は絶対に無理だよ、お願いだから、それはダメ、ね?!」
「おう、仕方ねえな。」
言いながら、にゅるんっ・・・・・・・・・・って、何、アッサリといれちゃったりとかしているの、りゅうちゃん。
ゆ、油断した・・と、いうか、りゅうちゃん・・・・・・・・
そ、そりゃ、3本じゃなくて、いつものようにはいっているのは1本だけなんだけど・・・
私が呆然としていると、彼はニンマリと満足そうな笑みをその口元に浮かべていた。
「悪いな、海里、はいっちまったみたいだ・・痛くはねえだろ??」
「う、うん、痛くは・・・・・・・・・ない。」
少し顔色を失ったような状態だったと思うのだけれど、私は彼に向って思わず頷いてしまっていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
そのまま、彼の指先が私のそこの奥深くにまではいりこんでくる。
「・・・・・・・っ・・・・・・・・」
「怖いか??」
「う、うん・・・・・・・・」
「そうか・・・・・」
そのひと言を残して、彼のその指先が湿った音を伴いながら私のそこから静かに引き抜かれていた。
「海里、今日はここまでにしておく・・・・・・か??」
「うん。」
そう頷く私のふたつの瞳からは、沢山の涙がいつの間にか零れ落ちていた。
「指先で確認した限りでは、特に問題はなさそうだ、良かったな、あいつにそこを掻き回されて指先で確認出来ねえ傷がねえなんてことは、本来なら有り得ねえ話・・なんだが・・・・・・・
お前を目の前にして、奴も薄々ながらも何かを感じていたのかも知れねえな、良かったな。」
って、そこまで話したところで、彼は少しひと息つくようにしてタバコを口に銜えていた。
「お前が「痛い」と思っていたのは、いろいろと恐怖心の方が先行しちまって「痛い」って思いだけが先走っちまっていたのかも知れねえ。
念の為、あの姉ちゃんが診に来てくれる手筈は整えてある。
あの姉ちゃんがくるまで、それまではまだ時間がある。
海里、それまでの間、一緒に居てやるから少しゆっくりと休んでな。」
「・・・・・・・・うん。」
ポロポロと尚も涙を流し続ける私の体を引き寄せて、その頬に優しくキスをしてくれると、彼はそのまま私の体の横で一緒に寝てくれていた。
銜えたタバコに火を点けて、私がいる位置と逆の向きに煙を吐いている彼の腕を枕替わりに、私は彼の大きな胸の中にいられることに安堵感を覚えながら、いつの間にか再び深い眠りに就いていた。