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年下の彼22

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


彼、悠一くんに頭なんか撫でられちゃったりとかして、それでもって彼の胸の中でゆったり、のんびりと寛いじゃったりとかもしてました。


はい、してました。

で・・・・・・・・・・・・・


気が付いたら、朝。

だった。


そう、私、何時の間にか、思い切り良く爆睡しちゃってたみたいなんです。

それは、なんと、彼も同じで・・・・・・

ふたりして気が付いたときは、朝。


で、ふたりして裸のまま抱き合って朝まで爆睡。

疲れていたんだなあ~・・・・・・

お互い。






「初めての夜」に抱き合って爆睡も、過ぎてみれば、それはそれで記念になる(?!)かも・・で、私達はその後も滞りなく、付き合いを続けております。


で、今日は彼との約束の日、彼の会社に向かっている途中で、私の携帯に、彼からのTEL、です。


「ね、奈々深、今どこ??」

「ん?!もう会社の近くまで来ているよ、あと2・3分くらいで着くかな?!」

「そうか、俺もあと少しで終わるから、奈々深、ビルの入り口右手に誰でも入れるレストランがあるから、そこで待っててくれる??」

「うん、分かった。」

「じゃ、後で・・・・・・・・」


その言葉を最後に、彼との通話を終えると、私は再び早めの歩調で歩き出していた。

やがて、その視界に、彼が勤めている会社のものと思われるビルが飛び込んできた。


「ひゃあ、おっきい。」


そのビルを見上げて、思わず声に出してしまう。

本当に大きかった。

こんな大きなビルを所有している会社に勤めているなんて、悠一くん、凄いな。


なんて感じに感心しながら、ビルへと続く小さな階段を軽く駆け上がっていた。

自然と、その足取りが軽く・・・・・・・と、いうよりも、飛び跳ねるような軽やかな歩調になってしまっている。


滅多にこれないよ、こんな大きなビル。

私、おかしかったりとかしていないかな??

そう思ったのは、ビルの中に入ってから。


なんか、世界が違う。


ビルの中に入ってから、その雰囲気に押されてしまい、ちょっと不安を覚えた。

入り口の近くに、綺麗な受付のお姉さんがふたり、キリリとした表情で目の前を見据えている姿にも、少しびびる。


でもまあ、いいか、ってんで彼に言われたとおり、入り口右手にあるレストランの中でゆっくりと寛ぎながら彼が下りてくるのを待つことにした。

時間は16時56分。

彼がここに下りてくるには、まだ、時間がある。


ゆったりと店内に流れる音楽を楽しみながら、ガラスの向こうを通り過ぎていく人達をノンビリと眺めていた。


「奈々深。」

彼にその名を呼ばれたのは、それから間もなくの事だった。


「ごめん、待った??」

「ううん、私も来たばかりだから。」


私が返事を返している間に、彼は私の向かいの席に腰を降ろしていた。


「奈々深は何か頼んだの??」

「うん、頼んじゃった。」

「そうか、じゃあ、それ飲み終わったら出ようか、忙しくて申し訳ないんだけど。」

「え、大丈夫、そんなことないよ。」


そんな会話をしているその最中に、私が注文をしていたホットミルクティーが運ばれてきた。

彼は、ホットコーヒーを注文していた。


「奈々深、究極の猫舌だから、俺の方が先に飲み終る自信ある。」

なんて言いんがら、彼が私の顔を見るとニヤリと余裕の笑みを溢していた。


そりゃ、ね・・・・・・・・・確かに、究極の猫舌ですよ~・・・・・だ。

で、結局は彼の言うとおり、彼が飲み終わっても、私はまだ3分の1くらい飲み残った状態になっていて、カップをゆらゆらと揺らしながら熱を逃がして、冷めに冷めたミルクティーをゆったりと喉の奥へと流し込んでいた。


「喉、やけどとかしないの??」


そう、彼に思わず聞いてしまったら、「そんな訳ないじゃん」って、言って軽く笑われてしまった。

だって、気になるんだもの・・・・・・・

ちょっと悔しいようなそんな気持ちを抱えて少しだけ頬を膨らませると、彼がまた楽しそうにしてその口元に笑みを浮かべながら、立ち上がっていた。


「じゃ、行こうか。」

彼の言葉に、私は頷いて、立ち上がった彼の後に続いて歩き出していた。


会計を済ませて、レストランを出たところで、なんだかざわめきのようなものを感じた気がした。


「?!」

不思議に思ってそちらの方へと視線を移すと、数人の男の人達がコチラを見ていた。


思わず、お辞儀。

知らない人だけど、お辞儀。


なんか、その男の人達の向こう、ちょっと離れたところには女の人達がいて、なんだかさり気なくコッチをチェックしているような・・・・・・・・・・なんなんでしょう??


って、首を捻る私、彼と約束したときの事をスッカリ忘れている自分がいたことに気が付いたのは、彼に「あれ、先輩。」って、歩きながら教えてもらった後の事だった。


「え、うそ、挨拶とか、しなくて良いの??」

「大丈夫、今はただの野次馬と化しているだけだから、軽く会釈でもしておけば、平気。」

「そ、そうなんだ。」


でも・・・・・・・・ちょっと気になる。

だから、改めてその足を止めて、彼等に向かってキチンと会釈をすると、また再びどよめきが・・・・・

あ、あれ??


まずかった・・・・・・・・かな?!


「クスクスクスクス、だから言ったじゃん。」

って、彼には笑いながら言われてしまったのだけれど、だから、なんでそうやって「どよめく」のかな??

って、感じに私は仕切りに首を捻りながら、彼の後に続いて会社を後にしていた。


私、なんだか不思議生物にでもなって、オリの向こうから見物されちゃいました・・・みたいな気分を味わっちゃいました。

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