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気まぐれ子猫Ⅱ・1
高校生で、その彼氏(?!)がヤ○ザってどう思う?!もし、仮にそんな質問をしたのなら、大抵の答えは決まりきっているものなのかも知れない。
「・・・・・・・・・・・あの、りゅうちゃん、あの時の私の下着、どうなったの??」
「あ?!下着??」
その後、彼と出会ったのは、あれから2週間以上が過ぎたある日曜日のことだった。
「そう、下着、私とりゅうちゃんでいったマンションの洗濯機の中に、りゅうちゃん、放り込んじゃったでしょ?!」
「あ~・・・・・・・・・・そう言えば、そう、だった・・・・・・・・・・かな?」
目の前の彼は、いつもと同じにして、高級車の座席の上にドッシリと腰を据えていた。
そして、その口に火の点いたタバコを持っていきながらそんな感じのことを返してきた。
「あれ、返して貰えないかな?!」
「なんでだ??」
私が困り顔で聞くと、即座にそんな言葉が返ってくる。
「だって、あれ・・・・・・・・・私のお気に入り・・・・・・・・」
「ふう~ん。」
でも、彼、全然無関心。
「ね、りゅうちゃん。」
「ん~・・・・・・・・・そう、だなあ・・・・・・・・・・」
繰り返す私の要求に、彼は少し考え込むような動きを見せていた。
「あるとは思うんだが・・・・・・・」
「どこに??」
「ん?!あの洗濯機の中。」
「・・・・・・・・って、あのままずっと放置状態なの?!」
思わず、驚いてその声が大きくなっていた。
「いや、多分。」
「た、多分・・・・・・・って??」
「いや、ある、ある・・・・・・・・だろ??」
「・・・・・・・・・・りゅうちゃん。」
「ん??」
「なんだか、いっぱい?マーク、ついてない?!」
そんなやり取りの後、私達はあのマンションの中に居た。
私は早速洗濯機の中を覗きこんだのだけれど、その中は空っぽだった。
「ねえ、りゅうちゃん、ないよ。」
困り顔で彼の方を見ると、なんだかそのままのポーズで固まったまま、彼は彼で記憶のパズルを組み合わせているみたいだった。
「・・・・・・・・・・・・・・・海里、これじゃねえのか??」
その視線を移した彼が見ているそこに、私の下着が綺麗にたたまれた状態で置かれていた。
そこは、ソファーの片隅だった。
「あ、ほんとだ、なんで??」
私がそこに駆け寄り、確認すると、それは間違いなく私のお気に入りの下着で、あの時、りゅうちゃんが洗濯機の中に放り込んだものだった。
「・・・・・・・・・・・・・海里、お前、ちょっとここで待ってろ。」
いうと、部屋の別の位置に視線を置いていた彼が、少し怖い顔をしながらその姿をあの大きなベッドが置かれていた室内へと消していた。
そうなると同時にそのドアも閉じられていたので、その中で何が行われていたのか、私には分からなかったのだけれど、私はその間に自分の下着をバックの奥に押し込んでいた。
「あ、りゅうちゃん。」
少しすると、彼がさっきよりも怖い表情でそこから出てきて、私の腕をとると、そのまま、そこを後にしていた。
「海里、悪いな、今日はここまでしか送れねえ、後は自分で家に帰ることが出来るか??」
「う・・・・・・・ん・・大丈夫・・・だけど・・・・・・・・」
結局、私達はその日、特に何をすることなく別れて、彼を乗せた車も静かに私の元から走り去っていた。