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真昼の月3
「ん、蓮也・・・・・・・・・・・・・・」普段は決してそんな風にして甘えてきたことのない、そいつが、甘ったるい声と共にその腕を俺の首へと巻きつけてくる。
その時、俺はまだ自身のモノの処理の真っ最中だった。
「待てよ、静流、まだ良く拭き終わっていねえんだ・・・・・・・・・・」
言い終わらないうちに、その唇に、彼女の柔らかなそれが重なりあってくる。
その奥から入り込んでくる彼女の小さな舌先の動きに応じると、そこから更に甘い声が漏れてくる。
唇を貪りながらも、自身のそれを拭き終えて、使用済みのティッシュを横目で確認したゴミ箱に向けて放り投げると、ベッドの上に横たわったままの彼女の体と重なり合う形でその行為に集中していた。
互いの唇と、舌先が絡み合う音と、彼女がその唇から漏らす声とが延々と続いて発され続けていた。
俺の首に廻された彼女の手が、その力を抜こうとすることなく、そこに絡みつき、俺の体を捕らえたまま、決して離そうとはしなかった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
彼女がその腕の力を緩めて、重なり合っていた唇の長い触れあいから開放された時、彼女は離れることを惜しむかのようにして、縋るような眼差しで俺を見上げてきた。
互いの唾液で湿ったその唇が、物言いた気にして、僅かに開かれている。
「なんだよ、どうしたってんだよ。」
そんな彼女の顔を見ていると、意味も無く、ある種の不安のようなものが渦を巻いてくるような気がして、そういった思いも断ち切るような気持ちでそう笑って告げると、彼女のおでこに自分のそれを押し当てていた。
「ん・・・・・・・・・・・なんでもない。」
そう言いながら、その瞳が悲しそうにして揺れると、再びその唇が優しく触れてきた。
今度のキスは、軽く触れただけで、それを終えると彼女は少し照れ臭そうにして笑みを漏らしていた。
「蓮也。」
笑みを漏らした後、やはりその目が悲しそうにして俺を見上げてくる。
「蓮也、私、蓮也が好き。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・なんだよ、そういって先にコクって来たの、お前ジャン。」
俺の体を抱き締め、自分の方へと引き寄せながら、彼女が言うものだから、俺もその華奢な体を抱き締め返しながらそう告げてやった。
すると、彼女はその口元に静かに笑みを湛えながら、ゆっくりと言葉を吐き出していた。
「うん、そう・・・・・・・・今も、その気持ちに変わりはないよ、蓮也。」
何かを噛み締めるかのようにして言葉を紡ぎ、俺の頬に彼女は自分のそれで触れ、その思いを伝えるかのようにして頬擦りをしてくる。
愛しそうに、恋しそうに・・・・・・・・・
けれど、そうして触れられる度に、何故か俺の方までもがどことなく物悲しいような気持ちになってくる。
もう、二度と会えない・・・・・・・・・・という訳でもないだろうに、なんでそこまでして切な気に言い寄ってくるのか、そう思うと同時に、俺はさっき広い居間のソファーの上に寝転んでいたあの男の事を思い出していた。
「ね、蓮也・・・・・・・・・お願いがあるんだけど・・・」
「?!」
俺があいつのことを思い出して、その眉間に皺が寄りつつあった時、彼女が遠慮勝ちに俺の顔を見上げてきた。
「もう一回だけ・・・・・・してもらえる??」
小首を傾げながら聞いてくるその姿は可愛い。
可愛いんだが・・・・・・・・・・・なんか、納得がいかねえ。
なんで??
俺が、不満丸出しで聞いたのなら、彼女はどんな反応を示すのだろう。
そう思いながら自分の体の下にいる彼女の顔を、黙って見下ろし続けていた。
「ふう~・・・・・・・・・ん、珍しいな。」
・・・・・・だけど、結局俺は彼女の要求をそれ以上追及すること無く、口元に笑みを浮かべると、彼女の唇をそっと塞いでいた。
その後、彼女の求めるままに、もう一度重なり合い、繋がり合って、終わりの時を迎えた後、少しだけそのまま戯ていた。
「・・・・・・・・・・・・なあ、もし、お前さえ良ければ、俺、今日泊まっていくか?!」
俺の言葉に、彼女はその大きな瞳を見開いて、暫くの間キョトンとした顔で俺のことを見ていた。
「え・・どうして・・・・・?!」
「ん?!なんかお前、不安そうな顔してるから・・・・・」
戸惑いながら聞いてくる彼女の頬に触れながら、そう返してやる。
不安を覚えたのは、俺も一緒だった・・だから・・・・・・・・