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魅せられて1

「柚良、お前、暇か?!」


いつもと同じのようにして、兄貴が部屋の入り口のドアをノックすると、こっちが返事をするよりも先にそのドアを開いていた。


「暇だけど、何??」


少しむくれたようにして返事を返すと、兄貴の表情がぱああっと明るくなる。


「コンビにまで買い物行ってきて♪♪」

「やだ。」


顔の前で拝むようにして手を合わせて頼み込んでくる兄貴に、私は速攻で返事を返していた。





「そういうなよ、お前の好きなプリンジャンボパフェ買ってきても良いから・・・・・・・」


という兄貴の追加の言葉(誘惑)に負けて、ひとり、コンビニへと向かう。


「はあ??ジュース15本??めっちゃ重いじゃん、ふざけんな!!」

兄貴が手渡してくれた買い物リストの書かれている小さなメモ帳を片手に、私は歩きながら大声で文句を言っていた。


「あ~でも、ジャンボプリンパフェも食べたいし・・・・・・・折角だからジュース2・3本ちょろまかしちゃおっかな?!」


買い物を終えてコンビニを出る時も、私の大きなひとり言は続いていた。


「お、サンキュ、・・・・・・・・そうだ、柚良、お前も一緒に飲むか??」

「え?!良いよ。」


買ってきたコンビニの袋の中のジュースを手にしながら、兄貴がそんなことを言ってきた。

珍し過ぎて返って怖いから、取り敢えずは断っておいた。

なんか、嫌な予感がする。


「そういうなって、来いよ。」


半ば強引に腕を掴まれて、そのまま兄貴の部屋の中に引きずり込まれていた。


「・・・・・・・・・・・!!」

部屋の入り口のドアを閉めると同時に、兄貴が私の体を引き寄せてきて、その・・・・・・・・・あれだ、なんで私、実の兄貴と「キス」してるん?!


手にしていたお気に入りのジャンボプリンパフェが、そこからスルリと抜け落ちて、床の上に転がる。


沢山のジュースを頼まれた割には、兄貴の部屋には私達以外の姿は見られなかった。

私が買い物に出かける前は、数人の男友達と騒いでいた筈なのに・・・・・・・・


そんなことを考えていると、唇の間から兄貴がその舌を捻じ込んできて、ちゅくちゅぱと唇に吸い付いてきたり、舌で私の口の中を弄ったり・・・・・・・・・・・・


何、妹のファーストキス奪ってんのさ!!!!!


この場で目の前の兄貴を思い切り良くぶん殴ったとしても、OK、なのだろうけれど・・生憎、兄貴の腕が私のそれをガッチリと押さえつけている。


だったら、噛み付いてやれ!!


なんて言わないでよ、いくらなんでもそれは出来ない。

こうみえても私たちってば、兄妹仲は良いんだから・・・・・・・・


だからといって、こういったことをしても良いということはないと思うのだけれど、なんか、兄貴にキスされて、舌を絡められてると、なんだか体の方が何やら反応をはじめちゃったりとかして・・・


だって、ほら、私ってば『お年頃』でしょ?!

こういった淡い感覚、誘惑には弱い、なあ~・・・・・・・・・・


ってな感じで、私、気がついたら自分の舌を兄貴の舌に絡みつかせてちゅぱちゅぷ、思い切り良くディープなキスを堪能していたりして・・・・・・・


なんか、相手が兄貴なのに、違和感というか、嫌悪感みたいなの、感じないんですけど。


私、女としてどこかおかしかったりするのかも知れない。

そう思いながらも、兄貴と舌を絡み合わせる行為を止めることが出来ずにいた。


「・・・・・・・・・・・・・。」

その内、兄貴がキスをしたまま手にしていたコンビニの袋を、その辺りに転がしていた。


兄貴は手にしていたものが無くなって自由になった両手で私の体を抱き締めてくると、なんだか更にキスの度合いを深めてきた。


そういった感じにされていても、私ってば、やっぱり嫌じゃなかったりする。

それどころか、逆に気分はどんどん上昇中。


なんだか恋人気分で私ってば兄貴の背中に自分の手を廻したりとかしていて、そのままキスを続けていた。

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