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年下の彼12
「奈々深、俺、今日は奈々深に聞いてもらいたい話があって来たんだけど・・・・・・・・」それまで逸らしていた視線を戻した彼が、私の目をジッ、と見据えてきた。
「あのさ、俺達、付き合いだしてから結構経つよね??」
「うん・・・・・・・今年で、4年になるね。」
「うん、4年。その間に何回も何回もデートしたし、その度にいろいろと話して、それで、どんどん奈々深とは仲良くなって行って・・・・・・・で、今まで来たんだけど・・・・・・・・・・」
彼が続ける言葉を、私はただ、黙って聞いていた。
自分がついさっき爆弾発言(?!)らしきものをしたことなどは忘れてしまったかのようにして、私はその言葉に耳を傾けていた。
「奈々深、奈々深は俺とこうして一緒に居ることに対して、辛いとか、苦しいとか、思ったことって、ある??」
ある程度言葉を並べて、その後で彼が意を決したのか、ひとつ深呼吸をしてから吐き出された言葉がそれだった。
「どうして?!」
私は思わず、聞き返していた。
「ん・・・・・・・・・・実は今日、会社の先輩に言われた。お前は若いんでそれで良いかも知れないが、彼女の方はもう27だろ??それって、相当焦ってるし、やばいんじゃないか・・・・・・・って・・・・・・」
「ヤ、ヤバイ・・・・・・って??」
「ん、その、結婚とか、考えると彼女がかわいそうなんじゃないかって、キチンと最後まで責任持つ気持ちがないんなら早く彼女を楽にして、安心して結婚の準備に取り掛かれるようにしてやったらどうだ??
って・・・・・・・・・・俺、奈々深のこと、繋ぎで付き合っているつもりはなかったけど、周囲からすると、そんな風に見えるみたいで・・・・・・・・・・それで・・・・・・」
「それで??」
「・・・・・・・・・・・奈々深は、どう、考えているの??俺との関係。」
「それは・・・・・・・私ひとりで決定できる事柄ではないと思うけど・・・それって、私の意志があって、そして悠一くんの意志があって成り立つ訳だし・・・・・・・
その他にも、いろいろと・・・状況にもよると思うけど・・・・・・私、今までそんなに気にしたこと、ないと思う。」
私の言葉に、彼はただ黙って耳を傾けていた。
「・・・・・・確かに、最初の頃こそ悠一くんとの年の差とか物凄く気になっていたけど、今は平気だし。
・・・・・・・・でもねえ、言われてみれば確かに・・・・って言うか、私ってばいつの間にか27歳になっちゃっていたりもするんだよね、でも、焦りとかはないよ。
うん、焦っては・・・・・・・いない。
・・・・・・・・だけど・・・そろそろ、やっぱり、気にしないとならない年齢ではある・・・よね??」
彼の顔を見上げていた私の顔が、段々と俯きだしていて、そしてその声のトーンも徐々にではあるけれど、下がってきているのが自分でも良く分かった。
「・・・・・・奈々深、今度の金曜日、俺の会社の前で待ち合わせ、してみない??」
「えっ?!」
彼の突然の申し出に、私はそれまで俯かせていた顔を一気に上げると、目の前の彼の顔を見上げていた。
「待ち合わせ、俺の会社の前。」
「え??なんで?!」
「ん?!なんとなく・・・・・・・・・・・」
「って、何か、企んでない??なんか悠一くん、今、ちょっといたずらっぽい笑み、漏らしていたよ。」
「えへへへへへへ、気にしない気にしない、ね、奈々深♪♪♪」
なんて言って私のほっぺにキスをしてきたけど、絶対に何か企んでるよ。
私は彼の視界の隅で眉を潜めていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「奈々深~・・・・・・・・・・・あったかいねえ、お風呂♪♪♪」
で、結局は一緒に入っちゃっているし、お風呂。
私の後ろでノンビリと寛いでいる彼は、物凄~~~っく、上機嫌でいる。
「えへへ、今から金曜日が楽しみだなあ~・・・・・・・・奈々深、いつもよりちょっとお洒落してきてね。」
ちょっとでいいの?!
思わず突っ込みそうになったけど、止めにした。
「奈々深の肌、すべすべえ~・・・・・・・うなじも綺麗♪♪♪」
とか言って、後ろから抱き付いてきて私の肩をスッポリと抱え込むと、うなじにキスをしてきた。
「ちょ、まっ・・・・・・・・!!ゆ、悠一くん、ひょっとして、酔ってる??」
「ん~・・・・・・・そんな訳ないじゃん、そしたら俺、飲酒運転になっちゃうもん、飲んでないよ~・・・・・」
でも、気分的には目一杯ハイになっているよね。
言っても、彼は全く気にしていないみたいで、ちゅっ、ちゅ・・・・・・と、何回も繰り返し、私の頬にキスをしてきた。