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年下の彼10
「奈々深、野菜ジュース、飲む??」「うん、ありがと。」
決して広くはないけれど、私にとってはお気に入りの場所に彼が座ると、こちらに向かって笑顔を見せながら手にしていた野菜ジュースを差し出してくる。
私はそれを受け取って、その彼の隣に座ろうとしたその時、ふと気がついた。
「何か、作ってあげようか??あるもので作るし、超・手抜きなものばかりだとは思うけど・・・・」
私の申し出に、彼が目を輝かせてその顔を上げると、嬉しそうにして首を縦に振っていた。
「うん、食べる、奈々深が作ってくれるんなら、なんでも食べる!!」
「ほんと??」
なんて言いながら、照れ臭いような、嬉しいような気持ちを抱え込んで立ち上がると、流しへと向かった。
「嫌いなものとか、ある??」
「全然、無いから平気!!」
「えっ?!そうなの??凄いね????」
「あ~・・・・・・・・・・!!奈々深は好き嫌い激しいな。」
なんて、彼はそこに座ったまま、私を見てきてイタズラな笑みを浮かべて私を見てくる。
「・・・・・・・だって、嫌いなんだもん。」
なんて、彼の言葉に大人気なく頬を膨らませながら冷蔵庫を開いた。
「うっわ、すっげ、味噌汁、超・具沢山。」
私が作り終わったそれらをテーブルの上にまで持ってくると、それを見た彼の第一声がそれだった。
「えっ?!そう??自分で作るときはいつもそうだけど・・・・・・・多いかな?!」
数種類の野菜をタップリと入れ込んだ汁椀の中を覗き込むかのようにして答えながら、次の品をテーブルの上に置いた。
「おっ、肉♪♪しょうが焼き?!・・・・・・・・・これも、野菜タップリだね。物凄い量のキャベツの千切り・・・・・・・上手だね、千切り、定職屋のキャベツと一緒。」
「え、そう??前の職場で教えて貰ったことがあるから・・・・・・」
「へえ~・・・・・・・・・・・」
なんて、彼は感心したような声を発していた。
「お肉とか、足りないかな??もう少し焼く?!」
「ん、平気、いただきまあ~っす。」
言うが早いか、彼は嬉しそうにしてテーブルの上に並べられたそれらを口にしていた。
「・・・・・・・・おにぎり、それだけで足りるの?!ご飯、たくさんあるから握ろうか?!」
「ご飯、炊きたて??」
「うん、タイマーセットしておいたから、炊きたてだけど・・・・・・」
「やっり、食べる♪♪」
「具は?!」
「お任せで!!」
「ふう~ん、じゃ、適当に・・・・・・・鮭解してマヨネーズであえる??」
「うん。」
なんて感じに過ごしていたら、あっという間に時が過ぎてしまっていて、気が付いた時には外はスッカリ暗闇に包まれていた。
ふたりで居ると、時間はあっという間に過ぎてしまう。
私は、暮れ行く外を眺めて、吐息をついていた。
「もう、帰らないとダメだね、外、真っ暗。」
そう言いながら彼の方を向くと、その唇に、彼のそれが重ね合わされてきた。