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年下の彼9
「・・・・・・・・・・・・・・・。」彼は、ドアの鍵を閉め終えて、そのまま、力が抜け切ったかのようにしてズルズルとその場に座り込んでしまった私を黙って見下ろしていたようだった。
「ごめん、悠一くん、私、目一杯お馬鹿だね。」
その場にへたり込んで、そのまま自分の両膝を抱え込みながら彼に対して言葉を吐き捨てていた。
「え、そう??奈々深がそこまで気にしすぎること無いと思うけど・・・・・・・」
返ってきた彼の言葉は、私の予想に反して、以外にも明るかった。
「・・・・・・・・・・・・・そう、かな??」
「うん、そう。そうだと思うけど・・・・・・奈々深、今回はいつもと違った段階でいろんなこと受け止めなくちゃならなくなったんで、それが負担になりすぎたから、ちょっとパニクッてただけだと思うけど。」
「・・・・・・・・・・・そ、そう、かな?!」
なんて、彼の言葉を聞いているうちに、何だかその気になってきてしまった私。
なんか、単純すぎ。
でも、ある意味幸せな性格している・・・・・・のかも。
「違うの??」
「う~・・・・・・ん、多分、そう・・だと思う・・・・・・・・・・・・」
自信は無かったけれど、頷いてみる。
「ゴメンね、なんか、今回目一杯凹んでたみたい。」
言いながら立ち上がると、スカートの裾についた埃を手の平で払って落とした。
「別に良いんじゃないの?!男と女として交際している以上はいつかはあることが起きただけなんだし、それに、もし、これから先、もっと先のこともお互いが求め合ってするようになって、それで、何かが起きたとしたら、その時は、ふたりで一緒になって解決すれば・・・・・・
何も、奈々深が年上だからってことだけで、奈々深ひとりが何もかも全部背負い込まなければならない必要はないと思けど。」
「・・・・・・・ん、そうだね、別に、悠一くんのこと、信用出来なくなったとかそういうんじゃなくって、なんか、私、自分でも気付かなかった自分の気持ちに気付いちゃって、それで、ビックリしてたみたい。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・知らない自分って??」
小首を傾げながら聞かれて、思わず私の頬が赤らんだ。
「い、意外と・・・・・・・・・結構・・・・なんだなって、思って。」
「え??何?????」
「・・・・・・・・・・・・・いい、も、今回は私が超・お馬鹿だったということで・・・・・・・それで・・・」
言えそうで言えない言葉、私にはどうしてもそれを口にすることは出来なくって、少し拗ねたようにして彼から視線を逸らしていた。
「奈々深、耳・・・・・・・・・・・真っ赤。」
彼に言われてから気がついて、思わず髪の隙間から見えていた自分の耳を慌てて押さえ込むと、彼から隠すかのようにしていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
それこそ、全身から火が点きそうな勢いで、一気に私の体温が急上昇を遂げていた。
「ま、いいけど・・・・・・・・・続きはゆっくりと、ね。」
言いながら、彼が私を室内へと進むよう、その目で促してきた。
私の胸の高鳴りが、ピークに達して、一瞬止まってしまったかのように感じた瞬間だった。