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籠の中・・・11

「お前、何してんの?!」

「ご、ごめん・・・・・・・・あの、薫さん、いくら起こしても起きなかったから、その・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・動くな。」

「え?!」

「動くなよ、でないとその先の保障は出来ないぞ。」



ほ、保障?!保障って、何???



薫さんの言葉にちょっぴり萎縮してしまったということもあるけれど、更に少し怖い感じの眼つきで見据えられてしまったりしたら、私としてはその言葉に従うしかなかった。


暫しの沈黙。


私の腰を押さえつけている薫さんの手には、まだ力が籠められている。

でも、その瞳は軽く閉じた状態で・・・・・・・・・何かをしようと思えば出来る・・・かも・・・・だけど、実際に何かをする勇気は無かったんで、そのまま彼が何か次の反応を示してくれる時を待っていた。



と・・・・・・・・・不意に、薫さんが大きく息を吐き出す。

そして、それまで軽く閉じていたその目をゆっくりと開くと、視線を私の方へと移してきた。


「?!」


思わず、身構えるようにして、薫さんの顔を見下ろした。

もう、その時には薫さんもいつも通りの表情になってはいたけれど、それでも、私から声を掛けることは出来ずに居た。


「やべえ、中で出るとこだった。」


そんな言葉と同時に、薫さんは今度は息を大きく吐き出していた。

そして、それまで私の腰を押さえ付けていた手をどけると、その手の平で、自分の顔を覆うと、またも大きく息を吐き捨てていた。


「・・・・・・・・・馬鹿野郎、中に出ちまったらどする気だったんだ。」


そして、指の隙間から見えるその目が私を捉えると、ちょっと怖めの声で言ってきた。


「う、うん。」

「・・・・・・・・・・・はあ、まあ、途中で寝ちまったおれもおれだが・・・・・・・」

「あ、あの、起こそうとはしたんだよ、だけど、どんなにしても、薫さん、起きなくて・・・・・・・・」

「で?!好きなようにひとりで遊んでいた・・・・・・と。」

「う・・・・・・・・・・」


薫さんに真っ向から告げられてしまったら、言葉も出ない。

確かに、その通りだし。


「・・・・・・・・・・知らねえぞ、おれ、経験無いからな。お前が期待するような対応なんか出来ない・・・」

薫さんの台詞が終わる前に、その唇に自分の唇を重ね合わせていた。


「その割には、キスとか積極的にしてくれたじゃない。」

「・・・・・・・本能の赴くままに動いてただけだ。何も考えてなんかいない。」


照れ臭いのか、なんなのか、彼はほんのりとその頬を赤く染めながら視線をずらしていた。


「でも、やっぱり私はそんなんでも薫さんが好きだよ。」

その頬にキスをすると、彼が更に顔を赤らめたまま私を見てきた。

「そんなん・・・・・・って、なんだよ。」

薫さんの手が私の頬に当てられて、彼の綺麗な瞳が真っ直ぐに私を見てくる。


その瞳の奥に映る自分の姿を確認しながら、私達はどちらともなくその唇を重ね合わせていた。

「ん、ふ・・・・・・・・・んん・・・・・・・・」

重ね合わせながら、互いの舌先をタップリと交えていると、自然とその口から小さな喘ぎが漏れ出していた。


私の喘ぎが漏れ出すと、薫さんの呼吸も次第に乱れてくるのが分かって、彼は、私の後頭部に両手を廻して、そのまま強く私の頭をぐっ・・・・・・・って感じにもっと自分の方へと引き寄せると、更にその舌先を激しく絡ませてくる。

上になっている私の口から漏れ出す唾液が、その下になっている彼の口の中へ、タップリと注ぎ込まれているとは思うのだけれど・・・・・

けれど、彼はそんなことなど気にすることなく、私とその唇を重ね合わせ続けてくれていた。


「・・・・・・・・・・んっ!!」


ピクンッ!!

唇を重ね合わせたまま、軽く私の体が跳ね上がる。

いつの間にか、薫さんの指先が、私の乳首に触れていて、その部分をこねこねと軽く捏ね繰っていた。


「ふ、んんん、ああっ、はああっ・・・・・・・ああっ・・・・・・・・・・・」


連続して乳首に与えられる刺激に、思わず私は唇を離してしまう。

そして、体を大きく反り返らせながら、大きな喘ぎを漏らしていた。


薫さんは私の上半身が起き上がったことによって、自由になった両手で、丹念にその先端を捏ね繰りまわす。


その動きが重なれば重なるほどに、私の喘ぎも激しさを増していた。

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