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真昼の月4
「蓮也が・・・・・・・・そうしてくれるって言うんなら・・・・・・私は大歓迎だよ。」はにかみながらも嬉しそうにして告げてくる彼女が、堪らない程に愛しかった。
思わず、その体を力いっぱい抱き締めると、その胸の中で彼女が楽しそうにして笑い声を漏らしていた。
クスクスクスクス。
笑みを溢し続ける彼女の肩が、上下に揺れている。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
俺は、そんな彼女を、暫くの間黙って見ていた。
「ありがとう、蓮也、嬉しいよ。」
その顔にゆったりとした笑みを湛えて、彼女は俺の顔を改めて見上げてくる。
そして、その唇で俺のそれに触れ、舌先でなぞっていた。
「私、蓮也に出会えて良かった。」
「・・・・・・・・・・・・・・・何言ってんだよ、馬鹿、そんなにしたって俺からは何も出てこねえぞ。」
流石に、正面から真っ直ぐな目でそう言われるとかなり、照れ臭い。
思わずその視線を少し反らした後で、彼女の方に向き直り、その体を抱きしめながら、触れるその肌にキスをしてやると、彼女の唇がまた嬉しそうにして笑みを零していた。
ベッドの上での戯れを終え、ふたりしてその身なりを整えていると、その部屋のドアがノックされていた。
「はい、何?!」
それに反応し、彼女がベッドを降りるとドアへと近付き、それを僅かに開いていた。
その向こうに、あの男が立っていた。
ドアの隙間から見ても、背は高く、その、顔立ちも・・・・・・・・・・格好良い。
男が見ても、イケメンなそいつは、どちらかといえば無表情な目で俺を一瞥した後、その視線を目の前の彼女へと移していた。
「飯の準備はしておいた、これから少し出ておきたい用事があるんだが、構わねえか??」
無愛想にして告げられるその言葉を、彼女はどんな表情で聴いているのか、俺からは影になっているので見ることが出来ない。
「いいけど・・・・・・何時くらいに帰ってくるの??」
「・・・・・・小一時間もしたら・・少し、確認しておきたいこともあるんで、な、良いか??」
その口調はとてもではないが、執事のものとは思えないものがある。
第一、御主人である彼女が戻ってきたにも関わらず、ソファーの上で踏ん反り返って爆睡なんて、有り得ねえ。
そう思っているうちにも、会話を終えたのか、奴はそのドアを閉めると、姿を消していた。
「で、結局はなんなんだ??あいつ・・・・・・・・」
「ん、従兄弟。」
俺が少し不機嫌そうにして問い掛けると、彼女は困ったようにしてそう答えてきた。
「・・・・・・・・・って、例のあの叔父さんの息子・・か。」
「うん。」
彼女の叔父のことなら結構有名なんで、その触り程度なら俺でも知っていた。
彼女はベッドの上に寝転んだままの俺に頷くと、その淵に腰を下ろしながら俺を見下ろしてきた。
「ご飯、あるって、食べる??」
「・・・・・・・・・・お前のが、だろ?!」
「蓮也のも準備してあると思うよ、あいつ、動くまでには少し気難しいところがあるけど、動き出すとなると結構やる方だから。」
そんな彼女の言葉に促されて移動したそこには、二人分の食事がシッカリと用意されていた。
「ね。」
「あいつのこと、結構なんでも知ってるんだな。」
「従兄弟だから・・・・・・・・」
言いながら、ふたりして椅子に腰を下ろしたが、従兄弟だから・・・・・・ってえ彼女の言葉、正直俺は、納得できねえ。
従兄弟だから、では片付けられねえような「何か」があるんじゃねえかと、変に勘ぐっちまいそうになる。
だから、食事を終えて、リビングで寛いでいる最中の彼女の体を強引に引き寄せてキスをすると、そのままその体を押し倒していた。